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ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)

Endoscopic submucosal dissection(内視鏡的粘膜下層剥離術)


ESDとは

お腹を切らずに内視鏡で癌を治療

近年、検診の普及や検査方法が発達し、早期で発見される胃や食道・大腸の癌が多くなったのに伴い、内視鏡治療も劇的に進歩しています。内視鏡的粘膜下層剥離術(以下ESD)は、これらの癌に対する内視鏡治療で、ESDが登場するまでは内視鏡的粘膜切除術(EMR)が主でしたが、切除できる範囲に制限があり、大きな病変は数回に分けて切除するか外科手術を行わなければなりませんでした。一方ESDは一定の大きさ・深さの癌であれば、外科手術をしなくても病巣を取り除くことができます。
当院では早期癌に対する最新治療として、早くからESDを導入しており、胃や食道癌のESDだけでなく、最も高度な技術が必要とされる大腸癌に対するESDも行っています。

ESDのメリットとデメリット

ESDのメリットは何と言っても、身体に対する負担が少ない点(低侵襲)です。内視鏡の鉗子孔からの治療ですから体表には全く傷が付かないので痛みもほとんどありません。病変部分のみの剥離なので、臓器も本来の大きさのままです。入院期間も順調ならば胃の場合で10日間程度、大腸の場合で4〜7日程度です。
デメリットは高度な技術を要する手技ですので、まれに治療中に穿孔(せんこう)と言って臓器に穴を開けてしまう危険があります。また、治療した部位は、人工的に潰瘍を作った状態のため出血をすることもありますが、このような偶発症が起きた場合でも、迅速な対応処置を行っております。

ESD手順

ESDは、胃や食道の場合は胃カメラ検査と同様に咽頭麻酔を行い、鎮静剤と静脈麻酔で眠った状態で治療します。大腸の場合は、通常の検査同様、下剤と腸管洗浄液で腸をきれいにしてからの治療になります。治療中は、鎮静剤と静脈麻酔を使用します。
また、心電図モニター、血圧計、酸素飽和度を測定し、安全に治療できるよう、常に観察しています。
内視鏡を(胃や食道の場合は口から、大腸の場合は肛門から)挿入し、色素を使い病変部分の観察を行います。剥ぎ取る病変周囲に電気メスで印(マーキング)を付け、局注針で内視鏡用粘膜下注入材を注入し、病変隆起の形成及び維持させ、電気メスで周辺切開及び剥離を行います。出血が見られたらその都度止血処置をし、病変の一括切除、回収をします。剥ぎ取った部位の止血確認をし、終了です。回収した病変は病理検査へ提出します。
治療後1週間以内に出血有無の確認のための内視鏡検査を行います。大腸の場合は、下血等の必要時に検査を行います。

ESD治療の流れ

  • マーキング
    ①マーキング
    がんの周囲を診断して、周囲にマーキング。
  • 局注
    ②局注
    がんの下に薬剤を注入して浮かせた状態にする。
  • 切開
    ③切開
    電気メスでマーキングの外側を切開する。
  • がんの剥離
    ④がんの剥離
    電気メスでがんを少しずつ剥ぎ取っていく。
  • 切除完了
    ⑤切除完了
    完全に剥離し、確実に切除。
  • 止血
    ⑥止血
    出血があれば止血し、がんを回収して病理検査へ回す。

*オリンパス「おなかの健康ドットコム」より一部引用


※治療前の診断では「転移なし」でも、病理の結果によっては、癌が粘膜下層より深いところまで達している場合や血管やリンパ管に転移があった場合は追加治療(外科治療)が必要になります。
  • 治療前
    ①治療前
  • 治療後
    ②治療後

皆さんの健康と安心した生活のために、癌の早期発見・早期治療につながる定期検診を受けられることをお勧めします。経口での内視鏡が苦手な方には、経鼻内視鏡もご用意しております。その際、血液をサラサラにするお薬を服用中の方は、主治医に御相談ください。

お問い合わせ

担当 臨床工学科
所在地 〒999-7782 山形県東田川郡庄内町松陽1丁目1-1
TEL 0234-43-3434(代表)
E-mail me@amarume-hp.jp